ビズリーチの計算し尽くされた新卒エンジニア研修

こんにちは!
ビズリーチ スタンバイ事業部でエンジニアをしております、新卒3年目の安藤 絵里花と申します。

最近、部内にスクラムが導入され、求人検索エンジンの開発に従事しながら学びの多い日々を過ごしております。
今回は、2018年の新卒エンジニア向けに行った研修をご紹介します。

ビズリーチの慣例として、前年までに新卒入社したエンジニアが、その年の新卒エンジニア研修を企画/運営しています。今年の研修は5人で担当しました。(2年目 × 3人 + 3年目 × 2人)

研修の狙い

私たち運営チームは、研修のビジョンを「18卒エンジニアが、19年4月までに戦力になるためのスキルと姿勢を身に付けた状態で配属される」と定めました。

このビジョンに基いて「即戦力なエンジニア」よりも「成長角度が高いエンジニア」となれるような研修を設計し、圧倒的な成長角度を持ったエンジニア = 骨太エンジニア になってもらうことを目指しました。

骨太エンジニアを構成する4つの要素

  1. 主体的に技術習得ができる
  2. 正しく情報収集ができる
  3. 課題の背景、目的に踏み込める
  4. 0->10でプロダクトを作りきれる

なぜ骨太エンジニアなのか

ビズリーチは、創業10年目となり事業数は17に達しています。私が入社してからの2年間でも、5つの新規事業が立ち上がりました。 プロダクトを構成する主言語も、Java、Scala、Kotlin、Rubyなど多岐にわたっています。

つまり、多事業かつ急成長しているビズリーチに必要なのは、幅広い技術を柔軟に身に付けられる骨太エンジニアなのです。

研修内容

研修期間は約3ヶ月であり、毎月のテーマを決めて実施しました。

  • 5月:座学

  • 6月:HTTPサーバー実装研修

  • 7月:Webアプリケーションクローン研修

5月:座学

まずは、幅広い知識を身につけて、エンジニアの土台作りを行います。現場で働いているエンジニアが講師となって講義・ハンズオンを行うことで、新卒の各々が持つ「引き出しの数」を増やしていきます。
骨太エンジニアを構成する要素における、「主体的に技術習得ができる」を目的とした研修です。


実際に実施した講義・ハンズオンは以下の14項目です。

  • Webアプリケーション概論
  • フロントエンド(Angular)
  • Git
  • 課題解決、問題解決のプロセス
  • インフラ/ネットワーク
  • 仮想化(Docker)ハンズオン
  • SRE
  • データベース概論
  • セキュリティ
  • AWSハンズオン(AWSの社員の方によるハンズオン)
  • 要件設計・仕様設計の考え方
  • アーキテクチャ
  • スクラム
  • テストケース、テストコードの書き方(QA)

security

タイトルが秀逸ですね。上の画像はセキュリティ研修資料の1ページ目をキャプチャしたものです。

セキュリティ研修の内容はXSS、CSRFなどの基本的なセキュリティ攻撃を自らやってみるという形になっており、基本的な攻撃手段と対策方法を知ることを目的としています。

実は、この研修にはちょっとした狙いがあります。
7月に行う、Webアプリケーションクローン研修で新卒社員が開発したプロダクトに対して攻撃/対策を行うための布石となっているのです。
さらに、プロダクト開発後にもう一度セキュリティ研修を挟み、学びを深めるという二段構えとしています。
また、座学セクションは「細かいところは忘れてもOK、やった事がある事が大事」をモットーに、「主体的に技術習得ができる」ようになる事における、ハードルを下げることで主体的な技術習得を促します。

6月:HTTPサーバー実装研修

土台作りを終えたら、エンジニアとして仕事ができるように実践力を身につけていきます。 Nginxみたいなものを作ることをテーマとして、エンジニアとしての力を養います。
骨太エンジニアを構成する要素における、「主体的に技術習得ができる」「正しく情報収集ができる」を目的とした研修です。

  • 参考情報を1次情報のみに制限することで、正しい情報を収集する力/抽出する力を身につける

  • 低レイヤー技術を知り/触る事で、応用力を身につける

  • GitHubのIssue、Pull requestsを使って開発フローを体験

※Issueは予め立てておき、Pull requestsについては2〜4年目のエンジニアがレビューを担当


実際のIssue一覧 http-server


CIによる、自動フォーマットチェック(レビュー工数を削減できるメリットも嬉しい) ci

7月:Webアプリケーションクローン研修

最後に、骨太エンジニアを構成する重要な要素である「課題の背景、目的に踏み込める」「0->10でプロダクトを作りきれる」を目的とした研修を行います。

テーマは、世の中にある既存サービスのクローン作成です。ただし、既存サービスに存在する課題を発見し、それを解決するような差別化ポイントを1つ以上盛り込むことが条件となっています。

インフラにはAWSを自由に利用し、分からないことがあれば配属先のメンターにフォローしてもらいながら開発を進めるといった環境です。

ちなみに、実際にクローンされたサービスは・・・

  • tin◯er

  • s◯ackoverflow

  • qii◯a

  • tog◯le

など、各人の個性が見える気がするラインナップですね。

エンジニアとしてこれから社会で働いていく上で、一つのサービズの仕様検討から実装までを経験する人は少ないはずです。
作り手としてこの0->1でサービスを作る経験をする事で、自信をつけてほしいと思い設計しました。
技術研磨に力をいれ、差別化ポイントに凝ることができなかった新卒が多かったですが、ユーザーに向き合って課題を解決しようとする姿勢が見えたのでやって良かったのかなと思っています。

研修を終えて

研修全体を通して「大変満足・満足」と回答してくれたのは、全新卒エンジニアの約8割でした!
私自身も企画・運営に携わることで、改めてエンジニアの力について考える機会を持つことができて、本当によかったです。

頂いた感想をいくつかご紹介します。ポジティブな感想もある反面、まだまだ改善できる伸びしろが残っているなと改めて感じます。

良かった

  • 5月:座学

    • ハンズオン系の研修は楽しかった。

    • スクラム研修は、チーム開発をした事ない自分にとっては未知のものだったので研修で触れられてよかった。

    • フロントエンド研修では、Angularに触れる事ができて楽しかった。

    • QA研修は、今まで意識していなかった分野だったため、日頃の開発にテストを意識するきっかけになった。

  • 6月:HTTPサーバー実装研修

    • HTTPサーバー研修では公式ドキュメントを読む癖がついた。公式ドキュメントを読んで、楽しさを覚えるようになった。
  • 7月:Webアプリケーションクローン研修

    • Webアプリケーションクローン研修は、自由に実装できて楽しかった。

    • 作るものが顧客にとってどんな価値を生み出すのか、その価値をどう担保するのか、はやく価値を届けるにはどうしたら良いを考えて開発するという意識をもつことができた。

    • 自分の弱点が見つかった。

もっと良くなりそう

  • 5月:座学

    • セキュリティ研修もっとやりたかった。

    • 1日中講義だけの日は、正直眠かったから少しでも毎日手を動かすような座学研修だと良かった。

  • 6月:HTTPサーバー実装研修

    • 新卒内でのレベルがバラバラだったので、その人にあったレベルの研修だと良かった。
  • 7月:Webアプリケーションクローン研修

    • Webアプリクローン研修では、どこに重きを置くのかが人によって様々だったので目的をもっとはっきり伝えて欲しかった。

配属から1ヶ月が過ぎた、18新卒骨太エンジニアの今

kazune 名前: 宮城 和音
所属: スタンバイ事業部

研修が役に立っているなと感じる点は?

(宮城) Webアプリクローン研修ですね。1ヶ月という短い期間で設計から計画、実装まで全てこなさないといけないので、積極的にメンターの方に開発の進め方を相談しました。その結果たくさんのことを学ばせて頂いたのですが、それが今に活きています。

また、インフラ構成ではたくさん挑戦させてもらったのが今役立っています。Fargateがちょうど東京に来たばっかりの段階だったので、使う事を決め、調査から実装までしました。

今スタンバイで、インフラ構成の見直しをしています。新たにFargateを使おうという案が出ており、積極的に発言ができ、新アーキテクチャに関われている感じがして、研修のありがたみを感じています。

まとめ

最後まで、読んでいただきありがとうございました。 ビズリーチの新卒研修を受けると、骨太エンジニアになれるんだ!という事が伝わりましたら幸いです。